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蝉しぐれ
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 45392 位
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一途な武士の生き方
所謂”侍”という存在には違和感もあり理解しがたい世界で
あったが、主人公:文四郎を通して、一途な日本男児の生き様
を教えられた感じである。
冒頭に描写されている夏の小川から全編を通じて爽やかな
清涼感が全編に渡り漂っているが、父の切腹や家禄の召し上げ
など主人公:文四郎を取り巻く環境は厳しい。
それでも残された母の厳しさと幼馴染みとの友情もあり男らしく
成長して行く。
また、お互いに初恋の人を心に秘めたまま、それぞれが置かれた
自分の立場をわきまえて、気持ちに整理をつけるラストシーンも
人間臭さが描かれており、親近感を覚える件であった。
信じられない!!
そんなにたくさん本を読んでるわけではないので
よくこの本は何度も読み返したくなる?とか、擦り切れるまで読む?とか
理解できなかったし、好きな本に対するお決まりのほめ言葉としか見てなかったけど
この本を読んでその気持ちがよく分かりました。
もう何度も読み返してるし、きっとこれからも何度も手に取ると思います。
すごいよかった。
初めて時代物を読んだので最初はすごく読みづらい気がしたけど
すぐなれました。
文四郎のまっすぐさや、闘うときの緊張感もすごくいい。
でも、何より言葉では表せない雰囲気や空気がありました。
しばらくするとその雰囲気が恋しくなって思わず読み返しちゃうんです。
こんな気持ちになれる本とは後にも先にもこの一冊だけだと思います。
読んでよかった。
数年後、もう一度読みたくなる作品。
時代小説好きな方はもちろん、敷居が高そうと感じて挑戦できない方や、これから読書を始めてみようという若い人にも読んで欲しい作品。
この作品には、様々な要素(恋、別れ、友情、戦い)が絶妙なバランスで折り重なっていき収束していく爽快感がある。この作品で、最後のシーンを確かめたときに感じた気持ちを、言葉に出来なくてもいいから大事にして欲しいと思う。心を豊かにしてくれる作品だ。
ただし、物語が急展開を迎えるまでにかなりのページ数を読む必要があるために、途中で挫折する人がいるかもしれない。それでも最後まで読んで欲しい。主人公と共に歩んでこそ、最後にこみ上げてくる思いに意味が生まれてくる。
少年から大人への繊細かつ深い描写
純粋な少年剣士牧文四郎に突然、尊敬していた父の切腹、家禄の召し上げ、淡い想いを抱いていたおふくの奥入りと、少年に理不尽な不条理がつきつけられる。
藩内の人からも非難される中、剣に打ち込むことで心身ともに強くなっていく文四郎。
しかし、逞しく成長した文四郎だが、本人の意思とは別に権力闘争に巻き込まれていく・・・
いつもの海坂藩を舞台として、少年の成長のさまを描いた作品。
目の前に浮かぶような景色と少年から大人へと変わっていく繊細な心の動きの描写が読者をぐいぐいと引き込んでいきます。
著者の作品は重厚で玄人好みともいえるものが多いですが、これは比較的若い人にもお勧めしたい一品です。
作家の力量
風景描写が素晴らしい。精緻な文章とはこうゆう文章を言うのだと思えた。
純粋な文章の表現力に驚くことは少いが、GWに実家で父親の本棚にあったこの作品に驚いた。ファンが多いのは知っていたが、藤沢周平が優れた作家であると遅ればせながら知った。
主人公は江戸時代、北国のとある藩の下級武士の子である。当時の武士の子弟は儒学や剣術に励み、将来の官吏としての修行に励む。幼少から主人公は剣に抜群の才能をみせる。
藩の権力争いによる父親の横死などの困難に耐えながらも友情や剣術に励む姿が描かれる。その話の展開は無駄が無く、無理が無い。
奇抜な展開で構成された小説と対極に位置するような、丁寧な描写と無理の無い展開による構成は同時に強い説得力とリアリティを持つ。
主人公は平凡な半生を送るのではない。しかし、抜群の剣の腕前を持ちながらも、やはり主人公は普通の人間であり、藩という組織の内部抗争に翻弄される下級武士である。剣は主人公を助けるが、主人公を超人にはしない。
主人公は良い結末を迎えるが、読後に残るのはやはり切なさである。不幸な結末となった人々や藩という組織の非常さ、抗いようもない下級武士の悲哀、過ぎ行く少年期、それらに対する緻密な描写が主人公の活躍があっても心躍る物語ではなく、切ない物語にしている。
印象的な場面が多々ある。
冒頭の自然描写。
物静かな父が大声を上げて進言し、その確固たる良心に日頃の尊敬の念を深めた場面。
主人公が死罪となった父に思いを伝えられなかったことを悔やむ場面。
刑死した父の遺体を荷車に載せて牽く主人公の描写。
先輩の官吏に従って野山に分け入って農村を巡り、稲の作柄を相談する場面。
上げればきりがないが、精緻な文章がそれぞれの名場面を表現しており、それらが無理のない展開で連なっている。
それぞれの名場面の描写はおそらく、作者が相当の労力を掛けて書き上げた労作と思われる。そう思えるほど良く練られており、緻密である。
文藝春秋
たそがれ清兵衛 (新潮文庫) 三屋清左衛門残日録 (文春文庫) 用心棒日月抄 (新潮文庫) 隠し剣孤影抄 (文春文庫) 隠し剣秋風抄 (文春文庫)
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