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千変万化に描く北斎の冨嶽三十六景 (アートセレクション)
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| 商品カテゴリ: | アート,建築,デザイン
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| セールスランク: | 26328 位
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北斎「富嶽三十六景」の知られざる世界
北斎と言えば「富嶽三十六景」が有名です。本書はその「富嶽三十六景」の1点1点の作品を見開き2頁で紹介して、それぞれの内容についての解説が施されたものです。もっとも全体では、36枚ではなく46枚の図版です。全ての版画をみることでその全容を理解できるように「自然」「構図」「場所」「旅」「営み」と、主題に即した5つの視点で分けられています。それぞれの作品の狙い、意図、隠れた意味などが大久保純一氏の解説によって書かれており、知っているようで知らない世界を分かりやすく解き明かしてくれました。
「神奈川沖浪裏」などは、ドビュッシーに交響詩「海」の制作意欲を掻き立てたと言われているようなインパクトがありますし、そのような影響力を持つ版画をじっくりと眺めているとその凄みが伝わってきます。
錦絵の版元、ジャポニスム、娘阿栄のこと、小布施の北斎、馬琴と北斎等のコラムも楽しく読みました。
「北斎の生涯と画業」の章で書かれているように、「北斎漫画」に代表される刊本や様々な肉筆画、妖怪画も収録してありますので、画狂人というあだ名にふさわしい活躍ぶりを確認できます。まさしく江戸時代を代表する絵師の一人だと感じます。
これだけの技術と魅力があるので多くのファンがいたのでしょうね。なにしろ生涯に30000点ほどの作品を生み出したのですから「浮世絵」の大家として、日本が誇れる絵師でした。
心が洗われる「富士」の景色、北斎の四十六図。絶景哉
稀代の天才絵師として一世を風靡した北斎、七十歳を超える頃の作品、『冨嶽三十六景』の錦絵をすべて見ることができる一冊。「三十六景」とありながら、その絵は全部で四十六枚あることを初めて知りました。
日本の霊峰富士を背景に、構図の面白さや大胆な視点から捉えた絵など、北斎翁の抜群の創意工夫と趣向を楽しむことができます。様々な土地から描かれた富士山はまた、空気が今よりも澄んでいて高層ビルなんかもなかった1830年(天保初年)当時の江戸の風景を想起させるものでもありますね。もっとも、絵によっては相当誇張して、遊び心も加えて描かれているので、実際にはこういう風には見えない景色がいくつもあるのでしょうけれど。
しかし、有名な「神奈川沖浪裏」の青い波がぐわっと盛り上がる一枚や、大きな樽の円の彼方にかすかに富士が見える「尾州不二見原」、網を打つ漁師の後ろに富士のなだらかな稜線が描かれた「甲州石班沢(かじかざわ)」の絵などは、実に風情があっていいですねぇ。一度見たら忘れられない印象の鮮やかさ。惚れ惚れさせられました。
残念だったのは、それぞれの絵をよりよく味わう鑑賞方法の新鮮さ、はっとさせられる鋭い指摘が文章に不足していたこと。鑑賞の仕方がアマチュア的というか、美術ファンの感想文の域にとどまっていたのが物足りなかったですね。絵を数点取り上げて、その部分を拡大したり、構図の面白さを線や図形で示して見せるなど、さらに密度の濃い解説文を求めたくなりました。
小学館
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