楽しいことずくめの無礼講オペレッタ
「ヴェネツィアの一夜」は、シュトラウスのオペレッタとしては代表作とまでは評価されていませんが、この映画版を見ると理由が少しわかります。全編大騒ぎに終始し、楽しいことずくめで、ある意味メリハリがないのです。深刻癖の強いクラシック音楽のリスナーは戸惑ってしまうのでしょう。そのかわり、全部楽しくてどこが悪いという向きには最適の作品。次々と途切れることなく繰り出される美しいメロディ、舞い上がるリズム、輝きわたるオケの響きと美声に身を委ねるだけで二時間弱はあっという間。ラスト、鐘の音とともに「祭りはおしまい。また来年」と断ち切るように終わるのもいい味です。なお、この映画は屏風のような書き割りをスタジオに並べて人工ヴェネツィアを建てこみ、ロケは一切行っていません。ただし、水をたたえた運河まで作り、屋内セットが豪華なこともあってチープさは微塵もなし。演出は映像に凝りつつも群衆や歌手をいきいきと動かして快調そのものです。 キャストも豪華。女声陣はゲスティはじめズラリ大物(しかもおきゃんな美女ばかり)が並んでいますし、3人のテノールはまさにノリノリ。こんなに皆が気持ち良さそうに歌っているオペラ(オペレッタ)も珍しいでしょう。
ニホンモニター・ドリームライフ
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